[kouryukan 304] 採種園  2000/3/15  杉山要
2000/03/15 20:30
Subject: [kouryukan 304] 採種園

数日前、珍しい仕事をさせてもらいましたので、報告します。
現場はタイトルのとおり採種園。
川上と南牧村の境に近い御所平の埋(うずみ)というところの比較的平らなところに、変わった樹形のカラマツが規則正しくならぶ林があります。カラマツはまっすぐ上に向って伸びるのが普通なのに、そこの木は頭を止められ横に育つように仕立てられています。おかげで、そこに居ると盆栽のお化けの中にいるような感じになります。木にはすべて出身地を書いた札がつけられており、中には県外の木もちらほら。
これが、各地から選ばれた優良なカラマツの種を取るための林=採種園です。 ここのカラマツたちが上へ伸びようとするのを阻止して、まつぼっくりを採りやすいように横に伸ばすために、木の上に上って木を切るのが今回の仕事でした。要領としては、いったん伸びを止められたところから、さらに上にのびようとしている幹の、枝のはりだしているところの数十p上からきりおとし、その部分からまた上へ枝が伸びないように、切り口の廻りの皮をナタでむきます。また、下の方から出ている枝の中にも、上へ伸びようとしているものがあるので、これを長い柄のついたノコできります。とにかく「横へ横へ」としたてるわけです。木にとってはとても過酷なことをしているみたいで、心の痛む作業ですが、すべては種を取るため。しかたのないことなのでしょう。
しかし強風の中、高いところでチェンソーを操るわけですから大変です。風のせいでとんでもない方向に木がたおれても、逃げ場なし。たいへん恐ろしい仕事でした。あんなところ監督所が見たらマッツァオになるでしょうね。